イゼルローン要塞

1991年発売

 

 シリーズ第三段:原作3・4巻の戦いがテーマの作品。一応ユニットにはイゼルローン要塞とガイエスブルグ移動要塞が含まれるものの、両要塞の撃ち合いシナリオは存在せず、専ら艦隊戦のシナリオだけが存在(その割りに「ローゼンリッター連隊」の冗談ルールが存在するw)

シナリオは

■ケンプ&ミュラーvsヤン率いる混成艦隊&メルカッツ率いる要塞駐留艦隊:「はばたく禿鷲(ガイエ)」

■ロイエンタール率いる陽動部隊vsヤン艦隊:「ロイエンタールvsヤン」

■レンネンカンプvsアッテンボロー「アッテンボローの罠」

 シリーズ中1・2を争う(って、シリーズ合計で4種類しか出版されなかったが)地味な作品。シナリオのバランスはまあまあだが、「アッテンボローの罠」シナリオは、4ユニット対8ユニットとほぼ練習(或いはソロプレイ)シナリオと言って良いほどのスケールの小ささである。また、「はばたく禿鷲(ガイエ)」シナリオ、ヤン率いる増援艦隊の寄せ集めっぷりは中々見物である(笑)。更に「ロイエンタールvsヤン」シナリオにおいては、特別ルールを使う事により、ローゼンリッターで敵将を討ち取る事も可能だ(笑)

 この作品における要塞の扱いは、アニメ版や小説版での扱われ方ほど圧倒的なものではない。寧ろ、要塞自体が行動チットを持ち他艦隊の行動の可能性を阻害する上に、要塞主砲の(破壊力はそれなりだが)射界が短く、更に原作同様攻撃時には敵味方を巻き込む等々かなり使い勝手が悪い。

 帝国軍新登場指揮官:

名称:攻撃能力・防御能力・艦隊指揮力「指揮範囲」チット(特殊能力)

レンネンカンプ 5・4・8「6」2
アイヘンドルフ

4・5・7「5」2      .                                             

パトリッケン 

4・4・7「5」2
ベルゲングリューン -・-・-「-」-(参謀)     .

 後の高等弁務官時の立ち回りが酷すぎた為か。レンネンカンプの能力は、ローエングラム陣営の高級幕僚の中で最低を誇る。(尤も、このシリーズの「攻・防」それぞれの能力における優秀さの足切りラインは「4」だと言う事なので、優秀な事には違いないのだが……)アイヘンドルフ・パトリッケンはケンプ配下の分艦隊司令官である(因みにこの両将、本作のキャラクターシートには行動チットが1枚との記述があるが、ユニットシートには行動チットが2枚付属していた……。2枚の方がより「らしさ」を感じるので、恐らく2枚が正解なのだろう)

余談だが、アイヘンドルフは、原作第3巻・アニメ第2部冒頭のアッテンボロー分艦隊の遭遇戦(ユリアンの初陣)における帝国軍の指揮官である。

 ベルゲングリューンはゲームに影響を与えない「居るだけ参謀」で、登場シナリオも明記されていないが。恐らく「ロイエンタールvsヤン」シナリオに(使いたい人は)使うのだろう……。

同盟軍新登場指揮官:

名称:攻撃能力・防御能力・艦隊指揮力「指揮範囲」チット(特殊能力

アラルコン 5・3・7「5」1           .
マリネッティ 4・3・7「4」1
ザーニアル      

3・3・7「4」1

ユリアン +1・-・-「-」-(参謀)     .

 同盟軍の初登場は、増援艦隊の面々である。警備隊や星系防衛隊所属の将帥(准〜少将)なので、能力的にはこんなものだろう。戦力・人材共に払底を来たしている同盟軍らしい面子ではある(他に優秀なモートンも居るがw)・・・それでもアスターテの咬ませ犬達に比べれば(指揮範囲以外は)優秀だ。  

 アラルコンは、グェンと共に競い合うように敗残のミュラー艦隊を追撃し、帝国の双璧率いる2万隻の艦隊に俊殺され(この頃の同盟にとって)貴重な艦艇5000隻を失う醜態を見せた。マリネッティ・ザーニアルの両将は原作と異なり、アニメ版ではこの後の戦い(ランテマリオ、マル=アデッタ星域会戦)にも姿を見せている。

 最後に、ユリアンは第十三艦隊の参謀と言う位置付けで登場しているのだが。この亜麻色の髪の少年をメルカッツに付けると、ラインハルト並(行動数は除く)の能力に。また、ヤンに付けるとロクでもない能力になるので、流石にその使用は特別ルール扱いとされている(笑)


……ミュラーに詫びておいてくれと inserted by FC2 system